2014年3月29日土曜日

手の変形は問題?




学生との実習のフィードバック
実は大好きな仕事ですw
学生は嫌かもしれませんが…


学生さんがあげてきた 作業遂行上の問題点に
「手の変形」
というものがありました。


私「 手の変形は作業遂行上の 問題なの?」
学生「手の変形がなければいろんなことができる」
私「なるほど。その通り。」 「 いろんなことって何?」
学生「料理とか…だってこの人主婦だから。」
( ちなみに作業遂行上について考えた「作業」について、この時 学生は「家事」としています。 )
私「料理のどこに問題が発生するの?」
学生「かぼちゃとか硬いものが切れない」
私「切る必要があるの?」
学生「は??」← この反応大好きです。ここから視点が 変化すると、なるほどーに変わるので。
私「だって、かぼちゃ切らなければいいかもよ。旦那さんに頼んだら?息子だっているんでしょ?」
学生「それじゃダメだよ。この人夫に迷惑かけたくない、自分でできる限りやりたいって言ってんだから」

これ!聴きたかった。
私「そこだよ!素晴らしい。よく寄り添って話聴いてるね。そっかー、夫と息子に迷惑をかけずに自分で料理ができることがこの人にとっての大切な作業なんだね」
学生「そっかー。作業ってそういうことかー」

みたいなフィードバック。
学生さんの「そっかー」のパッと開けた顔が好きです。




さて、本題の「手の変形は問題か」ですが、
この方はRAで手の変形と痛みがあります。
学生が言うように、手の変形と痛みがなければ料理や買い物の支障は減るのは確かです。

「手の変形」が治れば色々できる。
では、いつ手の変形は治るのか?いつ痛まなくなるのか?
おそらく、手の変形がなくなる日は、5年、10年かかるかも…いやその前に進行性だから、その日が来るのは難しいかもしれません。

「作業遂行」は人ー環境ー作業 の総合作用です。
手の変形・・・これは「人」
作業遂行上の問題と、人や環境など単独上の問題とは大きな違いがあります。





作業遂行上の問題に視点を移してみると
「 夫と息子に迷惑をかけずに自分で料理ができる」という作業遂行上の問題は、
煮物用のかぼちゃを切る時に
①包丁に力が入らず切ることができない。
②包丁のえを握る時に滑ってしまう。
③両手で包丁を固定するため、カボチャを固定することが遅れてしまう。
④ 両手鍋など重いものが運べない。
‥‥‥など


作業遂行は、人ー環境ー作業 だから人の要因でうまくいかないことも、環境と作業の要因から実現に向けて方法を考えることができる。作業療法士が、そしてクライエント自身が。

「カボチャや人参を加熱してから切ればいい」
「包丁の枝にスポンジと滑り止めマットを巻いて手にフィットするように工夫したらいい」
「スーパーで購入時に切ってもらうサービスを利用すればいい」

そんなクライエントとクライエントの家族や支援者が作業の実現に向けて、
今叶えられる方法を考えることができる。
これが作業遂行をみることができる作業療法士の強みだと感じています。

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