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2011年10月1日土曜日

50m走を笑顔で走ってほしいから

「ようい ドン!」
女の子はその音にびっくりしてないていました。

先生に手を引かれ走る50m走
必死になってその手にすがる女の子
その表情からは恐怖しか感じ取れず
走ることを楽しむ余裕は全くないようでした。


先生は
これから先、いろいろなことにチャレンジしていける自分の可能性を感じて欲しい。
その為にも、運動会の競技に彼女が主体的に参加できることを大切にしたい。
そして、その姿を通し、友達と協力しあって課題に参加していけるクラス環境を作りたい。

女の子に願っていることを話してくれました。


運動会で50m走と竹馬に女の子が主体的に参加できること、
支援員ではなく、友達の協力の元参加できること

それが先生との目標となりました。



女の子は見ることに困難があるようで、
1m以上離れたものをはっきり見ることも、
視覚的情報から、物の距離感やその物の質感を捉えることも難しいようでした。

その為、運動会の競技では
広い校庭を走ること
ゴールの方向を捉えること
どれぐらい走ったらいいのか知ること
安心して走ること
ができずにいました。


女の子は
足で踏みしめている感覚
手で支えている感覚
それを十分に感じ取ることができずにいました。

その為、運動会の競技では
竹馬に足を乗せ続けること
真っ直ぐ走っていると感じること
ができずにいました。


でも女の子は
手のひらで感じ取ること
音を聞くこと
がとても上手でした。
わかる事(情報が入れば)の中では身体を使う事も上手でした。

そして何より
自分のしたい事に真っ直ぐ向かっていける気持ちを持っていました。

女の子は自分がわかる世界の中で
とても積極的で、笑顔でした。
知っている場所では友達と手をつないで走り、
信頼できる友達とは新しい事にもチャレンジしようとしていました。

そんな女の子の姿に
友達も積極的に関わろうと
いつも女の子のそばに友達の輪がありました。



先生は
女の子が困っている事、
女の子が上手な事、
女の子が、自分のしたい事に向かっていこうとする気持ちを持っている事、
を知り、支援を考えました。

50m走では
スタートからゴールまで紐を張り、
その紐を触れながら走れる様にしました。

竹馬では
竹馬の足の部分にスリッパの様なカバーを作り、足を載せるのではなく、履く形にしました。
竹馬に鈴をつけ、鈴の音を手がかりにできる様にしました。
ダンボールと発泡スチロールで出来た竹馬の底に、薄いベニア板を打ち付け、地面の感触を竹馬全体に伝わり易くしました。




50m走

女の子は初めて、1人で走りました。
そして笑顔でした。


竹馬
女の子は介助しようとする先生に
手で”どいて”と合図し1人で歩きはじめました。
普段外を歩くときに人の手を離した事もなかった女の子の竹馬の姿を見て
「歩くよりも上手!」
と先生も興奮して言いました。




明日は運動会

天気にな〜れ

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