2011年7月28日木曜日

作業療法のイメージ

人の機能や障害を理解し
その人の『できることを探す』

今の社会に
今の教育領域に
当たり前のようにある視点




作業療法はその人の
したいこと『作業』にはじまり
その作業の実現を目標にする。


それは人が作業をできる先に
その人の健康的な
自分の人生に意味と満足をもった
未来があることを
作業療法士がしっているから。




できることを提供する人生は
リスクを回避できる

苦しいままでいることを助けられるかもしれない。



でも



したいことを叶える人生は
自分のリスクにチャレンジし
可能性を引き出すことができる




「作業療法ってなに??」


そこから必ず始まる現場



いつか

作業療法=人の可能性を引き出すことができる

そんなイメージが出来上がれば
今の現場も もっと
広がりが生まれると思う。



だから言い続ける
だからポリシーを持ち続ける
作業に焦点を当て続ける



いつかそのイメージが出来上がるまで…




赤と白そこから連想するのは
サンタクロースかコカコーラ
使い続けることの意味
言い続けることが生み出すイメージ

2011年7月19日火曜日

頑張る作業の実現

「脳性麻痺としての女の子を知ってほ しいのではなく
一人のクラスメイトの女の子として みんなに知ってほしい。」

「手を引くことを強制したいのではなく
手を引くこと、声をかけること
友達として自分は何を女の子のために したいのか
それをみんなが考え、
それをすることを子どもたちに期待している。」


幼稚園の先生の期待する作業は
一人の女の子だけでなく
クラス全員に向けられた作業だった。




脳性麻痺であることでなく
何を子ども達みんなと共有するのか

その答えは先生の中にあった

“それを期待してもいい”と未来を創造し たとき
「頑張る姿を共有したい」と先生は語った。



"女の子が幼稚園の活動を頑張れるこ と"これがはじめの目標となった。



女の子は泣いて一日を終える日々を過ごしていた

でも泣きながら、目はいつも何かを追っていた


女の子は険しい顔して七夕の短冊を作っていた
みんな作り終えて,遊び始めても
女の子は止めなかった
作り終えるまで時間が過ぎても作り続けていた・・・。

女の子は友達の竹馬を見つめていた
クラスの中で1人カンポックリをしな がら・・・・。




『みんなと同じだと思えることに参加 したい』それが女の子の大切な作業だった。



先生は女の子が乗れる竹馬を作りたい と言った。

作るのに必要な情報をOT は提供でき る

先生は徹夜で作ったらしい。

その日から女の子は竹馬に乗ることに なった。



女の子は泣かなくなった。

女の子は目標を持った。

女の子は笑顔だった。


そして女の子の姿は誰が見ても 頑張る姿だった。



先生は子ども達を集め 女の子について語った

女の子がみんなと同じだと思えることに参加したいと願っていたこと。

そのために竹馬を頑張ったこと。


先生は子ども達に
竹馬以外にも沢山の活動がある幼稚園 で
女の子も一緒に参加していくために
みんなはどうしたいか聞いていた。



子ども達は一斉に手をあげ 沢山の手段が生まれていった


この日から女の子の側に 先生が付き添うことはなくなった。

代わりにいつも両手を支える友達が女の子の側にいる。



 

2011年7月17日日曜日

可能化の定義

可能化は(enablement)は、可能性を創り出すこと
何かになるために、あるいは何かをするために
力や能力を創造すること


人生の安全性を保証することよりも
人の人生の可能性を共に創り出すこと
それが作業療法の魅力

2011年7月1日金曜日

椅子の意味

女の子がみんなと一緒にいられるんだと感じられるために

クラスに参加するという今の環境の中で
勉強すること、出来たときの喜びを大切にしてほしいと願う
先生の届けたい作業の実現のために

授業中両手の操作を保証し
黒板と手元を交互に見ることをスムーズにし

さらにそれらのことを自分の力でできることを支えるための
姿勢を保つ椅子が必要だった。

必要であるとクライエントの教員が決めた。
このストーリーについては;http://blogs.yahoo.co.jp/chiho_96bey/28895926.html

これは5月末のことだった。

今まで学校に疎遠で、なかなか連絡が取れなかったお母さんも
この思いを共有した時
「明日にでも病院に行って椅子をお願いしてくる!」
ともうすぐ産まれてくる命をお腹に抱えたまま
翌日病院に向かった。

担任教員は女の子がみんなと一緒だと思えることの実現のために
姿勢を保つ機能を持った椅子の導入方法を模索していた。


お母さんが担当セラピストに椅子について依頼書を渡せたことを聞き
今日早速担当PTに連絡をとった。

電話越しに言われたのは
「今の女の子の機能に椅子はいらない。足に踏み台でもおけばいい。」


お母さんには
今回椅子を作ることをチームで考えたまでの流れを書いた依頼書を
渡してもらっていた。
担当PTはそれでもいらないと言った。

理由は座る力があるから。
お金がかかるから。


学校で必要なことを伝えた
今の坐位では完全に両手がフリーにならないこと。
そのことで授業の参加が遅れてしまうこと。

「それはOTの仕事。お母さんはこちらでPTだけをすることを自分で決めたんだ」
そう担当セラピストは話していた。

ちなみにお母さんは自分の娘がどんなリハビリをなぜ受けているか知らないと話していた。