2014年12月30日火曜日

今年を振り返って 2014年

2日前、3年前に巡回相談で関わった女の子の保護者に会う機会がありました。

お母さんは今3年生になった娘さんに対し

「娘は当たり前のように学校に通い、友だちを作り、勉強を頑張っています。今でも先生によって学校に参加のしにくさはあるようですが、そのことは幼稚園のあの時にみんなで話し合いましたからね。私は安心してそんな娘の背中を見ていられます。」と話していました。

お互い嬉しくて涙目で笑って話していましたが、本当に良かった。そして、こんなクライエントの声に自分はいつも支えられていると有り難い気持ちでいっぱいでした。






 今年は作業療法士の方に講演会などで活動やそのコンセプト、そして手段としての面接や作業遂行評価などについて話させていただく機会が多くあった1年でした。
「これでいいのか」いつも問を持って臨床を考えるよう心がけていますが、子どもや親、先生が実際に感じてくれたこと、見せてくれた成長という事実は、胸を張って話していいんだと想い、この1年話させていただきました。
お陰で、沢山の仲間ができ、これからさらなる発展を感じ大変希望を持てる年でした。

2014年1月11日臨床作業療法研修会




刺激をもらった出来事の中に忘れられないのはWFOTでした。


自分の中で蓋をしてきたものも、ちゃんとOPENにしていいんだと自信をもらった出来事でもありました。





その反面、社会の中に届けていくことやシステム化していくことの厳しさも学んだ1年でもありました。これは全て、自分の準備不足と経験不足と捉え、来年に活かしていこうと思います。





来年は宮古で友利さんと新しい一歩も踏みますし、
自分のベースアップにも専念しようと思います。






今年は作業療法士の仲間に助けられた1年でした。
本当に皆様有り難うございました。



来年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは皆様、良いお年を。




2014年12月2日火曜日

子育て家庭支援団体に対する助成活動

この度生命保険協会の「子育て家庭支援団体に対する助成活動」に選ばれました。
沖縄タイムス2014年12月1日

子育てに対する願い

 私達は子育て支援相談や、保育園や小中学校の巡回相談支援を行なっております。その活動の中で、子育てや教育に関する保護者の相談もありますが、どの親御さんも大変不安そうで、相談に対し恐怖心も抱かれている場合が多いです。

 子育てのを相談できるところは地域に増えつつあり、巡回や電話での相談、研修会など地域のサービスも充実し、便利になりました。その流れの中で、子育てで感じる育てにくさや、社会参加(保育園や学校の参加)の難しさに対し、早期に問題を理解し解決していこうという流れもあります。

 「言葉の遅れ」「一人遊びが多い」「友達と喧嘩しやすい」「字が書けない」など子供の問題行動に対し、解決の視点で関わるのであれば、発達障がい(脳の器質的な要因によるもの)、家庭環境、生育歴(今までの生活)などの問題の原因と向き合うことになります。発達障害に産んでしまった不安や、家庭環境や過去の経験を指摘されることへの自身の消失や不安と向き合うことになり、実際に相談で関わった保護者の多くがその不安を口にされていました。
 実は、私自身も長男が1歳の時に「お母さんはお子さんの問題を理解していない」と言われた経験があり、上記のような不安を感じて子育てをしていた時期がありました。 そのような中で、すべての人が安心して子育てができることを支えられないかと始めたことが、現在の活動のきっかけでした。



やりがいを叶える子育て
 私は作業療法と言ってリハビリの仕事をしています。「その人が生きたい人生、やりがいのある生活、やりたいこと」それを叶えることが私達の役割であり、その生活の実現が人の健康ややる気に重要であることを知っていました。その作業療法の視点を取り入れ、子育てと教育に関わり始めました。
「保護者が子供に望む生活」「先生がその子に届けたい教育」「子ども自身がしたいこと」
そんなお子さんの成長に関わる全ての人のやりがいに焦点を当て、その実現を支える。それが私達の役割です。実際にここ6年間で、その子育てと教育が、子供と保護者、先生の健康とやりがいに影響を与え、子供達の成長を支えることもできました。
私達は全ての子ども達と親のやりがいを叶えていける社会づくりに貢献していけることが願いです。 


子育てを通して親も子供も元気になる
ー 子育てに家庭支援 ー

「叱ってはいけないんですか?」「勉強をさせるにはどうしたらいいですか」 
など子育てでは色々な相談が寄せられますが、子供達が自分のしたいことや、する必要があると感じることをどのように選択し、やっていけるのか、そんな子供の生きる力や、やる気スイッチについて知ることで、保護者は「こうしないといけない」「ああしないといけない」といった子育ての方法に悩むことなく、「こうすればもっと子供は自由に成長していけるんだ!」と子供の可能性を最大限活かせる家庭と地域の環境を子育てにやりがいを感じて作っていくことができます。

今回の子育て家庭支援では、そのような子育ての視点と実践をお伝えしていくことで
子育てに悩まれる保護者や学校の先生方のお役に立てればと考えております。


講演会や活動の企画が整いましたらお知らせさせていただきたいと思います。
ご興味がある方がいらっしゃいましたら、下記の連絡先までこ連絡ください。

ADOCprojectのfacebook https://www.facebook.com/adocproject?ref=bookmarks  
adoc.project@gmail.com











2014年9月12日金曜日

やりたい!が言えた男の子




子供たちは「やりたい!」その想いを強く持っています.
それが成長の原動力になり
自分の可能性を広げていける.
そのことを私は子供たちから学んでいます.
巡回相談をしていて一番大切にしている力です.


そのことを教えてくれた一人の男の子のことです.




男の子は着替え、かばんの準備といった身の回りのことから手伝いが必要で
支援員がいないと何もできないと相談がありました。

「かばんを開けて」
「服を出して」
「服を脱いで」
「着替えて」
「服をしまって」
全ての行為一つ一つに声かけがないと
途中でどこかに行ってしまう.

友達との遊びでは
友達と園庭に出るものの、一人砂場で穴を掘ってはホロホロ歩き、
特に何かをすることがない.

先生は心配していました.


そんな男の子の問題に対応するために
担任の先生は支援員をつけ生活を助ける支援をしていました.
そして
「これで本当にいいのでしょうか」
と悩んでいました.


私は先生に
「先生が男の子にできるようになってほしいことはどんなことですか.どうしてそれができることが大切だと思いますか.」
と聞きました.

先生は
「彼はニコニコしているようですが、本当に笑ったり、泣いたりすることがありません.『先生!これできたよ!』幼稚園児はできたことを喜び、もっとこれがしたいんだ!と言ってくれます.でも彼は、注意されても、褒められても、心から感じている様子がない.何がしたいのかもわからない.
身の回りのことでいいのでできてほしいのです.そして『先生!できたよ』と笑う姿が見たい。彼が本当にしたいことをさせてあげたい.」

そう話してくれました.

”男の子が「できた!」と達成感を感じられるために 身の回りのことができること”

これが私たちの目標となりました.




“男の子が困っていたこと、したいこと”

男の子の生活からわかったことがありました.
男の子は聞こえることと、見えることの情報が他の子よりも沢山入ってしまい
本当に大切な情報を受け取ることができずにいました.
そのため、風の音や、友達の話声、日の光といった刺激が邪魔をして
先生が指示したことも、友達がしていることも、理解することができずにいました.

それだけでなく
自分が今何をしているのか
そのこともゆっくり感じることができず
日々の経験から学ぶことも
注意されたことや褒められたことを
自分のこととして実感することもできずにいました.


そんな中でも男の子は、友達がしていることを見てロッカーの前に来ることもありました。
見て理解することのほうが少し上手なのだとわかりました.

男の子は幼稚園を休むことはありませんでした.
着替えの時間は教室内に入り、外遊びのときは外に出てホロホロしていました.
男の子は自分がわかることを精いっぱい使って、なんとかしたいと思っているようでした.


先生とこれらのことを一緒に考え、どうしたらできるのか考えました.


それから2週間後
男の子は自分のロッカーの前で
”僕がやること”と書かれた小さなホワイトボードを見ながら
一つ一つ準備をしていました.

先生は真ん中にあった男の子のロッカーを壁の隅に移し
刺激が少ないところで作業ができる環境を作っていました.

男の子はハンカチをしまってはホワイトボードを見て
連絡帳を提出してはホワイトボードを見に戻ってきていました.
一つ一つ見ながらではありましたが、
自分の力で身支度ができるようになっていました.





その日の午後
雨が降ってきたので外遊びから急いで教室に入ってきた私たちは
男の子がいないことに気がつきました.
外を見に行くと
男の子は一人雨の中、虫取り網の柄と、長い棒をセロファンテープでつなげていました.

そのとき先生が
「あ!さっき別の子が木の高い所にいる蝉が採りたいと騒いでいた」と話しました.
男の子はその友達に蝉をとってあげようと虫取り網を長くしようとしていたのでした.
男の子が初めて、友達のためにしたい!と頑張っていたことでした.




夏休み前に授業参観がありました.
男の子は誰よりも先に竹馬を持ってきて、お母さんの前で乗ってみせました.
先生は「お母さんに見せるために頑張りたいと本人が言って 泣きながら練習したんですよ」と話しました.
そして、全ての保護者が帰った後も、男の子は最後までお母さんと竹馬を練習していました.
「僕はもっと高い竹馬に乗りたいんだ.ちょっとお母さん押えてて」
という男の子の竹馬を、お母さんは泣きながら支えていました.


2014年8月6日水曜日

アメリカの子育てと教育支援


先日EDIS(基地内の教育と発達障害の支援機関)に訪問し、そこで仲良くなったSTさんと再び会って情報交換してきました。

会う約束をmailでしている時にtranslatorいないけど大丈夫かな?
「問題ないね!」
とのことだったので、片言の英語とGoogle翻訳と画用紙を持っていざ会うことに。

STさんは、日本を一人旅する程日本好きで、
片言の日本語も話してくれて、なんとか情報交換できました。
途中Googleの翻訳がひどすぎて(笑)
「使えないね」ってほとんどが画用紙上のイラストで会話していました。


アメリカの子育ての支援体制
0歳から3歳までは IFSP(Individualized Family Service Plan)
3歳からはIEP(Individualized Education Plan)
(その他 まれに 504Plan) 
というサービスを活用するとのこと。
0歳から3歳までは家族の子育てサポートを中心に、3歳からは本人を主体として教育プランを考えて行くとのこと。驚いたのが、教育プランを立案する時に、3歳児の意思決定も尊重するとのこと。3歳でも自分の主張ができることにも、その主張を尊重しようとする社会の大勢にも驚きました。ADOC-Sもそんな互いの意思を尊重し共有する場で活用して欲しいなと聞きながら感じていました。 


特別支援学校と特別支援学級は few
学校の環境をお聞きしたところ
特別支援学校も通常学校の中に特別支援学級もあるとのこと
でも仕切りに特別支援学校や支援学級の使用については「a few」を強調していました。
 「とても少数の人しか行かないさ。もしこちらに通うことになっても、ragular schoolと行き来するよ。特別支援学級もそこに通うという子どもは少ない。ragular classが基本の生活だよ」
…と言っていたかは保証できませんが(笑)、とにかく「稀だ」と強調していたことは確かです。


社会参加を視野に入れた教育サポート
どうしてa fewなのか?という話題で

「仕事・地域生活、子供達が大人になって参加していく社会には、障がいをもった人達だけが住む世界なんてないんだよ。障がいの有無に関わらず、互いが助け合う社会を作ることを意識して、子供達の教育は考えていくんだ」

「学校で重要な学びは、お互いの違いを尊重し助け合う人間関係を学ぶことだ。special needsのある子が通常の子供達と一緒に遊び、勉強する中で、それは学ばれていく。学ぶのはspecial needsのある子がだけでなく、互いにだ」
  
などなど、子供達の社会参加という視点において、special needsのある子供も、ない子供もみんなの社会参加を考えていることに感動でした。



その他お互いの実践について共有してきました
STさんはアプリの開発もされていて、
日本の親が子供に求めるコミュニケーションについてのことや
私たちが開発しているADOC-Sのことについても情報交換してきました。
特に実践については、STさんからも「僕たちはフィーリングが合うね」とお互いの臨床については、かなり意気投合できることがありました。
特に、「 子供のやりたいこと、先生が届けたい教育、親のして欲しい願い、などみんなのやりがいに焦点を当ててるんだ」ということに関しては
「それは最も重要だ」
と言ってくれました。 






日本の教育サポートの環境と似ているところや、形は似ていても現場の価値観に違いや、最近の制度の改正から感じる日本の教育サポートの目指していくところと似ている点など、いろいろ感じながら、私も頑張ろーと楽しくなる時間でした。











2014年7月1日火曜日

EDISを見学してきました

仲間 知穂
今日は嘉手納基地の中にあるEducational & Developmental Intervention Services (EDIS)に見学にいきました。EDISは特別なニーズを要する子どもに対し、子どもの可能性を最大限引き出し社会参加につなげるために、家族支援や学校巡回、個別介入を行っています。OT,PT,ST,心理士,MSW,教員など、様々な専門家がチームで関わり、必要な場所へ必要なケアを届けに駆け回っているそうです。

さて、本日はSTさんと特別支援教育の先生がエスコートしてくださいました。この先生が大変素敵な方で、将来こんな風に歳を取りたい、と感じる透き通った肌と上品な雰囲気をまとった女性でした。さすがSTさんと先生、こんな英語力の私でも聞き取れる言葉で案内してくださいました。

「この施設の2階はアジア圏の教育委員会の総本部…」的な、ええ!こんなところにそんなすごい施設があるなんて、とびっくりして聞いていましたが、私の英語力では聞き返すこともできず(笑)とにかく連携しているのか、総本部なのか、重要な機関らしいです。

施設に入ると、急にたくさんのスタッフが集合し、OT、PTなどいろいろな専門家のスタッフが13名ほどズラッとテーブルを囲み「ピザとコーラを用意したよ!アメリカンスタイルのおもてなしをどうぞ」とご馳走していただきました。あとから、とっても忙しい業務の合間に出迎えてくれたことを知り、アメリカンスタイル、学ばねばなぁ…と、いつも忙しさを理由にやらない自分をを反省。

自己紹介しようぜ!
みたいな流れになり、片言の英語で「自分は学校に巡回しているよ」と伝えると、イイね!と笑顔で答えてくれたので、調子に乗って、目の前にいたOTにADOC-Sについても紹介。
「なんだこれは!シンプルでスタイリッシュだ!大量の書類に毎日追われてるんだよ、これはいい考えだ。今すぐ飛びつきたい」
などなどWFOTの時とはまた違った食いつきで、大好評。「みんな!これ見て見て」って立ち代り入れ替わりで、軽いポスター発表。WFOTで経験していたので特に抵抗なくプレゼン終了。

まあ、どうやらその大量の書類は国が管理しているようで、簡単に変えられないみたい。社交辞令だったのかな?と思ったけど、メールして!交流続けようよ!って言ってくださったので、これから繋がるといいなと、帰ってすぐお礼mail入れました。

OTさんの話によると、昔は施設に来てもらい個別介入が支流だったらしい。そのスタイルを変えていくのに相当苦労した様子。結局今は「倉庫になってるよ(笑)」って訓練室はあまり使われず、訪問がメインとのこと。

学校については
鉛筆がうまくもてない程度の困難であればクラスの中で対応するけど、少しでも暴れることがあれば、個別対応だね。と、個別対応が結構多い話をしていました。訴訟大国でもあるから、他児童への迷惑行為につながるのであれば、集団対応できないかもしれないな、と思って聞いていました。



今回は英語できないので、全然突っ込んで聞けなかったけど、とにかくいい人達だった、かっこよかった。

2014年6月29日日曜日

作業療法士は何屋か。

巡回先の幼稚園で友達と全く関わりを持てず1人で飼育小屋の中で掃除をしていた男の子。先生が「友達と少しでも交流を持って欲しい」と願い、そのための評価を行い情報を提供しました。1ヶ月後…男の子は飼育の仕方を友達に教え、それだけでなく、飼育小屋から出て、外の世界で友達に飛び込んでいくようになっていました。

「奇跡だ!」と先生達は目を真っ赤にして経過を教えてくれました。


でも、その経過には、先生達の教育のプロとしての取り組みが凝縮されており、この男の子の成長はまさに先生達の関わりの賜物だとわかりました。


自然に経過したのではなく、先生の取り組みが効果的に男の子とクラス全体を成長させたのです。




作業療法士は何屋だ? 



それはよく聞かれることで、特にOT自身がアイデンティティに悩んでいるようです。


しかし、私は学校という現場に出た時に、先生の仕事を知り、作業バランスを理解し、教育の目的や意図を聴き、もちろん学校長には事前に学校の教育の目的をお聴きします。


子供の教育に関わるのであれば、それを支える人たちの作業について理解することは当然のことだと思っています。


その上で、

「先生がこの子の将来のために今叶えたい教育はなんですか?」

と聞いていきます。

先生との面接は、先生自身の環境を理解した上で進んでいきますので、特別に無理な解釈をつけなくても、フィーリングが合う中で、供創されていきます。


面接が始まり、さぁ!何を創ろうか、お互いに何ができるのか少しドキドキしながら作業を選び、

先生の環境にあった情報を提供して創作を手伝う中で、最後には「これは絶対やりたい!いや、やれるじゃないか」という先生の表情が見えたところで面接わ終わります。


後は先生にお任せです。


作業療法士は何屋か。

手段に関しては何でも屋ですが、先生と学校と子供と親の作業の最大の理解者であることは確かです。



2014年6月21日土曜日

WFOT2014

WFOTに来ています


「お母さんちゃんとお土産買った?シンケンジャーの剣だよ 」
って、お土産変わってないか?もうトミカの買っちゃったよ。
それに今頃シンケンジャーって…



発達関係の海外の発表では
「ゴール設定が重要なんだ。親と子の作業に焦点を当て参加レベルのゴールにしないといけないんだ」目標設定と協業はキーワードでした。

どうやら、海外では親と学校が目標を共有するというシステムは出来上がっているようです。
そして
「家族と学校のgoalのcollaborationが難しいんだ」
と具体的な課題解決の発表はありませんでした。

まあ、これを聞いてしまった時点で何もせずに退室はできない。
当然オーラル発表が全て終わったら即コンタクト。

「Great!」これはあの人にも聞かせてあげたい、と沢山の海外OTとお友達になりました。
英語全然できないから、かなり重要なフィードバックを聞き逃してるポイけど
まあ、接点作れただけでもいいかなー

もちろん「if you interested in our study, I hope you'll stop our poster!」のアピールは忘れずに。

夜はADOC飲み
同級生w




ワイワイの1日目終了。




2日目
メイン演者の今井さんのサポート





のつもりだったけど、すっかり役割を奪ってプレゼンw
それぐらいの大反響でした。




昨日声をかけたJaneさんも来てくれて
最高のテンションでポスター発表スタート‼︎






Excellent!
Wonderful!
とにかく褒められた。それはよくわかった。
海外の人は、目標をcollaborateする必要性を実感していたし、その悩みも体感しているようでした。Yes!と二つ返事で理解してくれる人ばかりでした。

すぐにダウンロードするぜ!
と目の前でiPadを開いてくれる人

とにかく連絡をくれ!
メモを残してくれる人

皆さん温かく、受け入れてくれる方ばかりでした。

気づけば10:00予定の終了時間を過ぎ11:30
さあ、ランチにするか…と話していたその時
Anne先生‼︎
私の大好きなAnne先生ーーーーー発見




当然ダッシュ。
I know you!
なんと、Anne先生の方から声をかけてくださり、立ったまま号泣しそうでした。

Do you have AMPS?
と質問を受けたので
I have all !!
とAMPS、SchoolAMPS 、ESI持ってるぜ!と ドヤ顔していたと思う(笑)

Great!
と言っていただいたので、当然、ポスターに来てくれ!と誘うと
Shur
と、これまた奇跡。

「 あんたはいい作業療法しているよ。ADOCーS面接で教員の今したいことを引き出し、その実現に向けてAMPS ESI使ってるのは最高だ…」 などなどとにかく褒めてくれたのは伝わった。
「 I love it. Your occupation is good.」 
これを言われた後は、涙声でプレゼンになってたと思う。
「君に会わせたい人がいるよ」
とAnne先生に紹介されたのは、Lou Ann先生だった。
ESI開発者(笑)もうここからは感動の閾値がふり切れて麻痺し始める。


コングレスパーティ





Lou Ann先生を紹介していただき
目の前でAnne Fisher先生がADOC-SをLou先生にプレゼン。
夢のような時間の後、
「彼女の作業療法をちゃんと聞いた方がいい」
と次の日に会う約束をして2日目終了。



3日目
Lou先生とランチ
With Translator と昨日言われていたので、ADOCメンバーと Lou先生にお会いしました。
澤田さんを見て
Lou先生が「あなたもチームなの‼︎」
と大笑い。どうやら澤田さんは前日Lou先生に「あなたの施設は素晴らしい」と言われていたようで、
Lou先生が 会場で澤田さんを立たせて「みんなあの人に施設を見に行くといい!」というような
これまたGreatな出来事があったとのこと。




Amazing!
と何回も言われ
「あなた達の活動は子供と先生を救う。そして、作業療法士を変えていくことができる」
というようなことを言っていただきました。

「あなたは論文書いてる?」
と言われ、日本語でと答えると
「Oh…」
と残念そう。しかし友利さんが「英語で書きます」と答えていました。
英語できるってかっこいいなー。私も沖縄帰ったら英語漬けにしよう。


「What your dream?」
と最後に聞かれ、作業に焦点を当てる視点を日本じゅうの学校に届けることだ!
と大きなことを言ったら
Good!
と笑顔で言ってもらいました。

Lou先生 、ありがとうございました。
先生にかけて頂いた全ての言葉で、これからダッシュで頑張れそうです。




やり遂げた感の背中w
ここで飲んじゃおうぜ!





で昼から宴w


この人達とやってこれたことが誇りです。
素敵な仲間に支えられて今がある。そんな想いを噛み締めて美味しいお酒でした。





世界中で学校や社会の中で、子ども達が健康的に生活していけることを願っている。
そして、それは
子どもと親と先生が協業して参加レベルの目標を持てることで叶うんだ!

そして私達はそのことに貢献できる。
最高のチームだから。





最後まで読んでいただきありがとうございました。







2014年6月17日火曜日

WFOTに行ってきます。

「お母さん日曜日まで僕たちを置いて行くんだね」



朝から息子達に言われ
トミカのビュンビュンサーキットのをお土産にねだられました。

もはや、お土産レベルの品ではありませんね(笑)持って帰れるのか?


さて、久しぶりのBlogですが、
明日からWFOTに参加。ADOC-Sのポスター発表も予定してます。
19日 9:30-10:30

今井さんが発表です。英語が達者なので心強いです。
ポスターも英語のため、私は戦力外でしたが(笑)現場でADOC-Sを活用したケースは沢山いますので、発表会場でホロホロして、臨機応変に質問にお答えできればと思っております。



2014年4月1日火曜日

実態把握は何のため?




実態・・・教育の世界では「現場の理解」「様子」について「実態」と言います。




学校と家庭の連携において、この「実態の共有」がうまくいかないと言う悩みをよくお聞きします。

「子どもの状況を親が理解しようとしない」
「学校での様子と、家庭での様子が違う」
など、実態を理解してもらうことや、実態を共有することに課題を感じているようです。

どうしてこのような課題が出るのでしょうか。
子供の状態を評価する力が足りないからではないか?
家族に説得する面接の力が足りないからではないか?

それもあるかもしれません。しかし一番重要なことは共有する「目的」なんだと私は思っています。



「実態」とはなんでしょう。


ある保育園の男の子がいました。

先生が
「トイレが未自立です。ウンチはトイレでできません。わざわざパンツをオムツに履き替えて、そのオムツにウンチをします。」
と話しました。

お母さんにお話を聞くと
「トイレは困っていません。失敗はありません。トイレでウンチをするのが怖いのか、オムツにします。自分でオムツを取ってくるんです。」
と話しました。

保育園では、トイレ未自立
家庭では、トイレ困っていない

どちらも間違っていませんが、お互いの認識している実態は合っていません。


先生が心配していました
「お母さんは問題に気づいていない…」

そして今までの経験上、この実態把握のままの面談ではなかなかうまく行きません。
問題に気づかせようとする保育園と、問題ではないことを理解してもらいたい家庭側とで溝があるからです。



さて、大切なことは実態を把握する目的です。
先生に聴きました
「トイレはどうなってほしいですか? それができることはどうして大切ですか?… 」
先生は言いました
「彼は再来年幼稚園生になる。そこではいろいろな活動がある。今のように遊ぶだけでなく、友達と一緒にものを作ったり、勉強だって始まる。野外活動も多くなる。彼は一人でいろいろとこなして行くことは難しいだろう。でもね、彼は人を惹きつける魅力がある。あの可愛らしい笑顔と、優しい雰囲気は、手伝いたいという想いを周りに起こさせる。彼のあの魅力を活用して、友達と一緒に活動に参加できる環境を作りたい。
そのために、友達と距離が空いてしまわないよう、身の回りのことを自立させてあげたい。ウンチを今のように人前でパンツを脱いで、オムツを履いてすることは、友達に嫌がられてしまう…」

この語りから、先生が『周囲に迷惑をかけない方法でトイレができる』ことを大切にしていると分かりました。


母親に聴きました
「保育園でどんなことができることを願っていますか?」
母親は言いました
「息子が学校に行きたいと思えることを大切にしたい。できないことや嫌なことに我慢する毎日ではなく、友達に助けてもらいながら、いろいろな活動に楽しく参加してほしい」

この語りから、お母さんが『学校での活動を楽しいと思えること。その実現に友達の協力も期待したいこと』を望んでいると分かりました。


お二人がそろった席で聴きました。
「先生は幼稚園でいろいろ新しく始まる活動に友達の協力の輪の中で参加してほしいと願っています。そしてお母さんもまた、息子さんが学校生活を楽しめることを願っていますね。友達の協力の輪の中で。
その実現のために先生は ” 周囲に迷惑をかけない方法でトイレができる”ことを叶えたいそうです。
そこで、学校と家庭の様子から、” 周囲に迷惑をかけない方法でトイレができる”というトイレの実現に向けて、課題となること、そして、うまくできていること を共有したいのですがいかがでしょうか?」

その話し合いの中で先生と母親は以下の点をあげていました。

  • 課題となること①人前でパンツを脱ぐ、②ウンチをしたオムツを放置していること
  • うまくできていること①ウンチを洋服に漏らさない、②ウンチがしたい時はソワソワしてわかる、③オシッコは自立している、④オムツの場所を自分で知っていて準備できる


その話し合いの結果、支援が決まりました。
1)ウンチが怖くないことを絵本を使って教える
2)オムツのストック場とゴミ箱をトイレの中にする
3)パンツを脱ぐ人に見られない場所を決める

全ての実態共有の目的は…
全ての支援の目的は…
「 周囲に迷惑をかけない方法でトイレができるというトイレの実現に向けて」


何のために実態を把握するのか?
何のために評価するのか?
何のために情報を提示するのか?

全ては子供の将来のために今大切なことを実現させるという「目的」が重要なんだと思います。




みんなの目的を明確にできるために







2014年3月29日土曜日

手の変形は問題?




学生との実習のフィードバック
実は大好きな仕事ですw
学生は嫌かもしれませんが…


学生さんがあげてきた 作業遂行上の問題点に
「手の変形」
というものがありました。


私「 手の変形は作業遂行上の 問題なの?」
学生「手の変形がなければいろんなことができる」
私「なるほど。その通り。」 「 いろんなことって何?」
学生「料理とか…だってこの人主婦だから。」
( ちなみに作業遂行上について考えた「作業」について、この時 学生は「家事」としています。 )
私「料理のどこに問題が発生するの?」
学生「かぼちゃとか硬いものが切れない」
私「切る必要があるの?」
学生「は??」← この反応大好きです。ここから視点が 変化すると、なるほどーに変わるので。
私「だって、かぼちゃ切らなければいいかもよ。旦那さんに頼んだら?息子だっているんでしょ?」
学生「それじゃダメだよ。この人夫に迷惑かけたくない、自分でできる限りやりたいって言ってんだから」

これ!聴きたかった。
私「そこだよ!素晴らしい。よく寄り添って話聴いてるね。そっかー、夫と息子に迷惑をかけずに自分で料理ができることがこの人にとっての大切な作業なんだね」
学生「そっかー。作業ってそういうことかー」

みたいなフィードバック。
学生さんの「そっかー」のパッと開けた顔が好きです。




さて、本題の「手の変形は問題か」ですが、
この方はRAで手の変形と痛みがあります。
学生が言うように、手の変形と痛みがなければ料理や買い物の支障は減るのは確かです。

「手の変形」が治れば色々できる。
では、いつ手の変形は治るのか?いつ痛まなくなるのか?
おそらく、手の変形がなくなる日は、5年、10年かかるかも…いやその前に進行性だから、その日が来るのは難しいかもしれません。

「作業遂行」は人ー環境ー作業 の総合作用です。
手の変形・・・これは「人」
作業遂行上の問題と、人や環境など単独上の問題とは大きな違いがあります。





作業遂行上の問題に視点を移してみると
「 夫と息子に迷惑をかけずに自分で料理ができる」という作業遂行上の問題は、
煮物用のかぼちゃを切る時に
①包丁に力が入らず切ることができない。
②包丁のえを握る時に滑ってしまう。
③両手で包丁を固定するため、カボチャを固定することが遅れてしまう。
④ 両手鍋など重いものが運べない。
‥‥‥など


作業遂行は、人ー環境ー作業 だから人の要因でうまくいかないことも、環境と作業の要因から実現に向けて方法を考えることができる。作業療法士が、そしてクライエント自身が。

「カボチャや人参を加熱してから切ればいい」
「包丁の枝にスポンジと滑り止めマットを巻いて手にフィットするように工夫したらいい」
「スーパーで購入時に切ってもらうサービスを利用すればいい」

そんなクライエントとクライエントの家族や支援者が作業の実現に向けて、
今叶えられる方法を考えることができる。
これが作業遂行をみることができる作業療法士の強みだと感じています。

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2014年2月5日水曜日

相手を理解することーインクルーシブ教育ー

先週は二男が頭から出血
今日は三男が左肘を脱臼
男3人を育てるって…末恐ろしい。とちょっと感じている今日この頃。


平成19年4月から、「特別支援教育」が学校教育法に位置づけられ、障がいの有無に捕われず、自由な学びの場の選択がされるようになってきました。障害を持った子も一つ屋根の下で共に学び、互いを尊重し合い、共存社会に向けて成長していこう!インクルーシブ教育の考えの下「互いの理解」もまた重要な学びとして考えられています。

インクルーシブ教育
人間の多様化の尊重などの強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とすることの目的の下、障害のある物とない物が共に学ぶ仕組みである。(H24年7月23日 共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進)



学校現場でも互いを理解しようという流れを感じます。しかし、先生方の多くは何を理解することが大切なのか、悩みも聞かれます。


 以前、校内研修に参加した時
「友達を叩くことも、授業中立ち歩くことも、その子がしたくてしているのではありません。自閉症という障がいによって、器質的(脳の機能)問題によって引き起こされているんだと、理解しないといけない」
と説明がありました。

現状は、障がいによって困難さを生じているんだという「障害」を理解しようという視点が多いようです。


実際に5年前幼稚園に介入した時
 ”言葉が話せない” ”1人でしか遊ばない” ことに対し
「自閉症という障害によってうまく話せないんです。お友達が嫌いなわけではないのよ」
と先生が子ども達に伝えていました。

その時子ども達は
「ああ,あの子は、話せないことは仕方が無いんだ…」
「かわいそうなんだ…」
と理解し ”自閉症の子の対応の方法” を先生から学んでいました。



作業療法の視点では、
「言葉が話せない」原因(障害)よりも
この幼稚園で先生・本人・友達が「何がしたいのか」が最も重要なこととして理解を進めていきます。その視点は支援において協働関係にある先生にも伝わります。


「先生が子ども達に届けたい教育」
「対象のお子さんが学校でしたいこと」
「友達がしたいこと」
そのみんなの「したい」に対し、何ができて何ができないのかを共有し
どうしたらできるのかを、当事者が考えていけることを支えることが
作業療法士の役割です。


5年前、作業療法士として介入した学級では
「互いを理解すること」について先生が子ども達に話しをしていました。

  • 先生が互いの違いを尊重し学び合える仲間であってほしいと願っていること。
  • 対象の男の子がみんなと一緒に遊んだり掃除をしたいと思っていること。
  • 男の子はそれをする時に、言葉で伝えることが難しいこと。
  • 男の子はそれをする時に、どうしたらいいのかルールを理解することが難しいこと。

そして「あなた達はどうしたいの?どうしたらいいと思う?」と問いました。
互いに関わりやすい環境を整えたのは先生でしたが、その環境の中で、自分がこの子とどう付き合っていくか?それを一人一人が考え、それぞれの子が自分のやり方で、この男の子と関わり合い、遊びも掃除も一緒にすることができました。



作業療法がお手伝いして、学校現場でおこなわれる”互いの理解”は
いつも「この子が何をしたいと願い、先生が子ども達に何を期待し、そしてそれをするにあたって何が困り、何が上手にできるのか?」…互いの作業作業遂行について。
そこから関わり方を考えるのは、いつも子ども達自身です。


このように相手がしたいことを知り、
どうしてできないのか、どうしたらできるのか、
主体的に考える「互いの理解」は
相手を尊重し、互いの可能性を十分に引き出して
この社会でどう生きていくのか自身で考え、遂行する。
共生社会に向けたインクルーシブ教育だと感じています。





お互いの「したい」に目を向ける

子どもでも、大人でも、それができる社会を目指して
学校の作業療法を続けています。
そしてそれができるツールとしてADOC for schoolをつくっています。



2014年1月12日日曜日

臨床作業療法実践研究会 in静岡

沖縄は大きなヤカンにお湯を沸かして、その中にお茶っ葉を放り込んでしまう”お茶文化” 
静岡の本格的なお茶文化はすごい!




よし!お土産はこのお茶の味を届けるんだー。と急須も大人買いw



1月11日におこなわれた日本臨床作業療法実践研究会で講演してきました。
今回は念願だった齋藤先生とご一緒されていただける、しかも、じっくりお話をお聞きしたかった建木先生ともコラボでの発表。お話をいただいた時から嬉しくて待ちきれない研究会でした。



病院でOBPをする(齋藤先生
 齋藤さんが始めからあんなに面接が上手で、クライエントと寄り添い、生活に目を向けていた作業療法をしていたわけじゃなかった…これはびっくりでした。機能回復に熱く燃えていた時代もあったそうで、少し想像できませんね。
そんな中、COPM、作業科学との出会いで自分の中野作業療法のアイデンティティが変化し、作業療法の可能性に気づいていったそうです。


「自分の考えを発信し続けた…誰も理解してくれなかった…」
 始めから考えに賛同し、今のような病院の動きになっていったわけじゃなかった。その苦悩をお聞きすることができました。私自身が感銘を受けたのは、齋藤さんが病院内の既存のシステム(評価用紙や連絡票、カンファレンス)を通して、そこに入り込みつつ、自分のしたいことにみんなが主体的に参加していける形に変えていったことでした。新しいことをしたい!私はそう思うと、自分の「したい」を相手(同僚・組織)に真っ向からぶつけてしまいやすい。でも齋藤さんの活動は、寄り添うように、既存のシステムを尊重し、みんながいつもやっている業務に少しずつエッセンスを入れなが、組織を動かしていくものでした。

専門職が専門的な仕事をすればするほど他職種とのパラダイムにズレが生じる
 その通りですね。しかも、それを自分が合っているんだと専門性を前面に打ち出せば、なおさら他職種は引いてしまう。
「恐れて行動しなければ何もかわらない。しかし、強引に行動してもかわらない。」
…!!!! 今までの私の経験を振り返って、そうだ、そうだ、と思い当たる印象的な言葉でした。その突破口として、「クライエントの変化を感じてもらうこと」の話しに、同感!ともちろんその後の自分の話しの時に便乗して話させていただきましたw

具体的な取り組み
カンファレンスに忙しく情報を一方的に話す形になりやすいDrの参加を初回は抜いてしまうとか(0回目のカンファレンス)、通常、情報を記入してから望むカンファレンス用紙は毎回白紙でスタートするシステムとか…
ええ!っとびっくりする取り組みも、その目的や思いを一緒にお聞きしていく中で、なんて斬新で利にかなってるんだ!と、その行動力と発想に勉強になることばかりでした。


「最も効果的な要素はクライエントの変化!
その変化をシステムづくりや環境づくりに活かせるかがポイント。」

そう話す齋藤さんの作業療法と、組織を愛する優しい語りに、やっぱ素敵な作業療法士だな…と齋藤さんの魅力を満喫した1時間20分でした。




新しい場所をつくる(建木先生
待ってました!! 建木さんから何がお聞きしたかったか…すべてです。どうしてここまできたのか、何が心を動かしたのか、行政とどうやって向き合ってきたのか…みんな聞きたい!!



 建木さんも作業療法のスタンスに悩み、CMOP-Eなどモデルに出会ってパラダイムシフトが起ったそうです。授業で高次脳機能障がいの当事者の方の語りを聞く機会があり、それがターニングポイントとなって今の活動の一歩を踏み出したそうです…。そんな先生の歩みを一緒に体験させていただきながら、試行錯誤された経験を持って大切なことを共感させていただけるお話でした。


「居場所がない」当事者の声
建木さんの活動は、クライエントにはじまりクライエントに終わるものでした。クライエントの声を聞き、その思いを実現させるためにどうしたらできるのか?その問いに答えていく活動が今のすべての動きの源になっているようでした。
30〜50歳の障がいをお持ちの方々の行き場がない!
「デイケアが本当にあっていますか?何もしないで家にいることを想像できますか?」建木さんの問いかけに、その問いすら持たずに送り出していた新人の頃の自分の作業療法を思い出しました。
行き場がない→ならば…つくる!シンプルですが、その行動にベクトルが向いて動き出せた建木さんの行動力に感銘を受けました。

居場所づくり
福祉,行政,制度,企業…社会の動きを把握しながらおこなうこと。
法人化によってカタチを作ること。
何ができるのか!実践を通してみせること。
当事者の想いをカタチにするための居場所づくりの話しでは,建木さんの様々なポイントをお聞きすることができました。急発進に見える建木さんの行動の中に、回りの動きを把握する眼力に、私自身が最も勉強不足なところだと反省。
「自分は思ったら何でもやってしまう。でも続けることができないのが欠点。仲間をつくることはそんな欠点を持っていても、それを誰かがサポートして進んでいける。仲間は大切なんだ」
この言葉をお聞きした時は、大変親近感を感じるとともに、仲間の大切さを身を持って感じていたので感動でした。



「人の作業をつくること。そのための場所をつくること。
あなたの作業療法士としてのスペアタイムをどう使うか?」

建木さんの熱い想いに、自分のスペアタイムの使い方をもっと楽しもうと感じた講演でした!




地域と関係をつくる
 今回の研究会で、私は今まで封印してきた想いを出そうと決めていました。自分なんかが語れることはない。まだまだ人に話せることができていない。そう感じつつも、いつかは胸を張って話したいと夢描いていた場でもありました。



「胸を張って」が飛び越えて半泣きしながら…になった研究会での発表でしたが、夢がカタチになった瞬間に感動でした。
「聞き手の反応が語りを導く(ほんとうの自分のつくり方,榎本博明)」
会場の雰囲気と、うんうんと頷いて聞いてくださる聞き手の先生方、その環境の中で心を解放して話させていただきました。



アンケートより:
  • 届けたい教育という相手サイドの語りに耳を傾け。作業を主人公に関わっていくことの大切さを感じました。
  • 「なぜ」を大切にクライエントの意味ある作業の可能化や、自分の信念を実現させていきたいと思います。
  • 自分も「思い立ったが吉日」で信念を持って行動していきたいと思いました。
  • OTとしての価値観が大きく変わりました。
  • 高次脳機能障害をみる際に「問題」ばかりに目を向けているなと考えさせられました。自分にも「何故それを問題に感じているのか?」問いを持ちながら臨床に望みたいと思います。
  • 作業療法とは何かを感じることができました。明日からいっぱい発信し、関係づくりに努めていきたいと思います。
  • 伝える重要性を改めて考えさせられました。
  • 「作業に焦点を当てれば、今変えていくことができる」私も鳥肌でした。
  • 信念を持って取り組めば自分のしたいことが叶う、私も信念を貫いていこうと思いました。
  • 分野は違いますが目指すところは同じで「子どもに何を届けたいのか」を語ってもらう過程で、OTとしての視点が必要になってくることがわかりました。
  • 今日伺った面接のポイントを再度見直してクライエントの想いを大切にした作業療法を提供したいと思います。
  • これから自分の信念を見つけていければと思います。
  • OTはいろんな場所で支援できると感じます。
  • 病院勤務でもできることを実践していこうと思いました。
  • とても熱く優しい講義であり、自分のOT魂を揺すぶられる時間でした。今後のOTとしての自分の物語を良くしていきたいと思います。
  • OT面接で大切なこととして「自己紹介での目的と役割を伝えること」にはハッとさせられました。Clに語ってもらうために、自分がどんなことのためにいるのか伝えていけるようにしたいです。
  • 「作業療法のファンになる」もっともっと自分も好きになりたいです。
  • 「障がいよりやりがい」身障分野でも同じですよね!
  • OTは障害じゃなく作業に関わる職種だという当たり前のことを改めて感じ、OTの職域の広さや楽しさを感じました。
  • 「感動しました!」←私も!!
 沢山のご感想とご意見に感動です。先生方の聞き手パワーのお陰で昨日の発表は出来上がっていますので、先生方に少しでも臨床に持ち帰ることのできるお土産をお渡しできればと願っております。

**発表に関する資料がなかったことでご不便をおかけして申し訳ございません。
「欲しいなー」と言ってくださった先生方もいらっしゃいますので、ご希望の方はお知らせください。メールでお送りいたします。 

ほんとうに素敵な機会をありがとうございました。




鈴木先生
貴重なお休みをお付き合いいただきありがとうございました。

「静岡は観光に行けるところがない」とのことでしたが、沖縄では味わえない風景、風、味、文化を堪能させていただいた3日間でした。ありがとうございました!
ESIで鈴木さん、建木さんにお会いできたことを感謝しております。






長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。