2011年8月31日水曜日

作業を扱う事例を中心に・・・



学科会議で1人の同僚が
「学生には作業を扱っている事例を探すよう声をかけています」
と話し始めました。

臨床実習を目の前にした学生たちに
どんな補講をさせたほうがいいのか?
の議論の中でのことでした。




職場では何年も前から解決できないままの悩みがあります。
障害に焦点を当てるか
作業に焦点を当てるか

もちろんみんな「ぼくは障害に焦点は当ててない」「クライエント中心です」
と胸を張っていっています。

みんなクライエントが好きだし,
学生も大好き。


今自分がやっていることが
「クライエント中心」であり,「障害に焦点を当てた介入」ではない
と信念を持っています。


作業のこと
クライエント中心のこと
面談のこと
作業遂行のこと

クライエント中心について伝えようとした声は
その信念を前に,なかなか届かないようでした。




そんな中,今日の会議の一言は
前から作業について耳を傾けていた人ではなく,
もう届かないと感じていた人の中からの声でした。

きっと,以前職場にいた人が,一生懸命植えてきた
作業の種(資料配布)が
花咲いたのだろうと思います。



今朝,急いでAnn Fisher先生の作業についての文献(OTジャーナルVol37.410-414)を
そっとその方の机に置きました。

「これもらっていいの?読んでみるね~」
そう笑顔で言ってくれた様子にほっと一息・・・

2011年8月27日土曜日

母親の味





お母さん
どうしてあなたが一生懸命感覚統合を習って
お子さんに感覚統合の効果のある遊びを提供したいと思ったのか
一緒に考えてみませんか。






~例えば~

「パスタを習いたい。上手に作れるようになりたい。」
パスタを料理教室で習うことにして,

ミートソースもぺペロンチーノも作れるようになり,
カルボナーラも作れるようになって・・・







“でも大切なことは『何で作りたいか』だと思うのです”


『家族がおいしいって喜んでくれる顔が見たい』
『母親として頑張っていることを認めて欲しい』
『友だちが集まってくれるような場を持ちたい』


だから,パスタを作れるようになりたかったんだ
という『あなたの想い』が大切。




あなたが,頑張ってパスタを習い,
ぺペロンチーのが作れるようになり
カルボナーラが作れるようになっても

ペスカトーレも作れるように・・・
ナスとひき肉のボロネーゼも作れるように・・・
生ハムのカッペリーニも作れなきゃ・・・


いつまでも終わりはありません。




でもあなたが,『子ども達がおいしいって喜んでくれるため』であれば
子どもたちが好きなメニューを習えばいいかもしれない,
そして
パスタじゃなくてもいいかもしれない。

美味しいジュウシイ
子どもも喜ぶゴーヤの料理
ドラゴンフルーツにシークワサ―かけただけでも
子ども達が喜ぶかもしれない。

そして,ジュウシイはすぐ横にいる子育ての先輩たちが教えてくれる。
ゴーヤがあなたの家になっているなら,新鮮なゴーヤを手軽に使うことができる。

ここにはあなたの生活する場で,
あなたの自然な生活の一部として
あなたが子ども達にご飯を提供することができる。




あなたがプロ並みのパスタを毎日作らなければ!と頑張るよりも
あなたが『笑顔が見たい』と作るジュウシイやゴーヤ料理は

“子どもたちが毎日食べるのならば
あなたが毎日作るのであれば”


素敵な料理だと思うのです。
だって,あなたの『母としてのてぃあんだー』が入っているから。


パスタは美味しい店を探したっていい。
でも
母親の味はあなたしか作れない



もう一度,どうしてパスタを習いたいと思ったのか
一緒に考えてみましょうね。





2011年8月26日金曜日

深呼吸



大きく息を吸って
深呼吸


ここは想いを話せる場

ここは実現に向けて意見を聞ける場

ここは大好きな作業が飛び交う場





これからまた
想いを胸の中だけで叫びながら
地域で頑張れる!




いつか地域にも語れる場を・・・・

2011年8月20日土曜日

作業に目を向けるためには,作業に目を向けることを知ることから。




「特別支援の先生にはとても良くしてもらっています。」

「私達ではわからないこと,先生が課題をくれていて安心です。」

「お子さんの発達障害に対する対応の必要性を,親御さんに説明し,
親御さんの了解をもらってくれる。
あの専門家が家庭と学校の間に入ってくれて助かる。」





学校に入っている専門家に
”お蔭さまで”
と救われていると感じる人は多い。

いないと困る,いると助かる・・・・。



だったらこのままでいいんじゃないか。
ここからどう変化できるというのだろう。



ある1人の教員が,特別支援の専門家を追い出したことを聞いた。
専門家は,自閉症の男の子に歯磨きをさせようと頑張っている教員を見て

「無理にさせたらこの子が社会に参加できなくなる。悪影響が生じる」

そう説得に入ったらしい。
歯磨きをやめさせるために・・・。

教員は
「幼稚園で歯磨きができなければ,どこで歯磨きを教えるの?
私とこの子の親が望む社会は,この地域にある小学校に行くこと。
その小学校に行くために必要な歯磨きを今させられないで,
この先の社会とは?どこに行くための社会なの?」

と専門家を追い出したらしい。



ごもっとも!!


この教員は2年前,自閉症の男の子が
安全にいられるためにひたすら男の子を追っかけていた
支援員だった。

2年間,共に子どもたちの作業を見つめ,
障害を見つめず,子どもの今するべき大切なことに
目を向けたいと,
一緒に支援を考えた先生だった。

あれから2年,
教員の目は,障害ではなく,子どもの作業に向いている。



障害に目を向けて,
その支援に満足していると錯覚しているだけの人がいるのなら・・・
その支援しかないんだと諦めている人がいるのなら・・・

作業に目を向けることを知ることから始めればいい。


そのスタートになればと

「子どもの相談教室」
開始です



2011年8月19日金曜日

母親でいられることを大切に‥‥



早期発見・早期診断の今の流れの中,
もしかして発達障害と言われ,
かといってどうしていいのか分からず
途方に暮れているお母さんがいることを知りました。


今日は子育て相談教室,第一回目
「子どもの可能性を育む関わり」
子育てについて地域のお母さん達と座談会を開きました♪


そのお母さんは,自分で発達障害について学び,感覚統合を学び,
「うちの子は感覚過敏なんです」と言っていました。
お母さんの姿勢は,もう専門知識で子どもをどう見たらいいのかで必死になっていました。

"母として"の役割に蓋をして・・・。

私は,作業療法士であり母であるので感じるのですが,
息子達の前では,作業療法士の考えを持っていますが,母親として接しています。
家で,子どもと向き合う時,その時の文脈はOTではなく,母親だからです。
そしてこの子たちにとって,OTは沢山いても,母親は世界に1人であるから,
母親として,この子たちの将来を望み,
母親として,今大切にしていきたいことを自由に持ちたいものです。



今日出会ったお母さんにも,
息子さんの母親として,役割を取り戻せる日が来ることを願っています。

2011年8月12日金曜日

『できること』を提供するか,『したいこと』を実現するか・・・




”目標”を持てない支援
“教員として自信”を持てない支援
“教員として誇り”を持てない支援
学校には,このような支援をせざる追えない状況に立っている先生と出会います。


今の社会の支援の流れ
多くは,気になる子の機能や障害の理解に重きを置かれています。
そして「その子の機能ならができる」と,
子どものできないことに目を向けず「できることを探しましょう」と言われています。
『できること』を提供する支援




作業療法士が目指す支援
”目標のある”や”教員として”の支援(作業)には,
教員が子どもに期待する未来の創造がありその未来に向けて,
「今何をすることが大切なのか」という,
教員が子どもに『してほしい作業』の実現に向けた
支援であることが重要なんだと思います。
(OTとしては当たり前の響きですが,これを一般の方に伝えることが難しい・・・。)
【どうして作業療法?目的から考える】
私としては,作業に焦点を当てると,どうしてその作業が大切なのかをクライエントと考えることができる。”ただできるようになる”ことが目標ではなく,「なぜするのか」が目標になるからです。「なぜするか=作業をする目的(作業の意味)」は,その作業の形態以外に実現する方法があることに,みんなが気付くことができます。要は作業に焦点を当てる理由は,その子や先生(クライエント)にとって意味のある作業を実現できるから!です。
・・・『意味のある作業』という言葉は届きにくいので 

その子が(に)望む未来に向けて,今したいこと,してほしいことを実現する
『したいこと・してほしいこと』を実現する支援






『できること』を提供するのか

『したいこと』を実現するのか






自分のなりたい未来へ

2011年8月7日日曜日

夢の事例集

この事例集が好きだった。


ここに載せられた、沢山の作業療法の物語に憧れた。


この事例集との出会いは
2年前、琉球OT さんから

読みながらゾクゾクしたのを覚えている。

いつかここに載せれる
作業療法がしたいと願っていた。

AMPS 事例集,第4版,2011

作業がひとつ実現**