2015年1月8日木曜日

作業遂行分析と作業分析

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次男がお願い!とやったガチャガチャ。怖いよね(笑)骨好き、お化け好き…



さて、この前学生が
「担当の方が料理がしたいと言っている。で、何をしたらいいのかわからない」と話しているのを聞いて、作業遂行評価は?と聞いたら「作業遂行?」と逆に聞かれ、まだメジャーな評価ではないのか…とややガッカリしてしまいました。

ちなみに教科書にはもう出ています。作業遂行評価を学生が当たり前に触れて体験できる教育体制を作らないとなぁ。と反省もしました。



クライエントの現状の機能ではできない作業を希望したらどうするのか?実習先で無理してでもさせるのか?

よく学生たちに質問されます。

座位保持もまだ困難な方に「旅行行きたい」と言われたら、旅行の作業遂行をするのか?

確かに難しいですねその前に外出許可おりないですしね。

でも、私達は「基礎作業学」という授業で、作業をひたすら分析してきませんでしたか?あれは別に革細工を上手になるためでも、七宝焼のプロになるためでもありません。
革細工とか、料理とか、作業に対し、工程という切り口で分けてみたり、技能や必要な機能という切り口で分析してみたり…そうやって一つの作業に必要な人や環境の要素や文化的価値などを考えてみたわけです。


ようは
私たち作業療法士は、人が作業をする様子をありのまま観察して分析すること(作業遂行分析)もできるし、
まだ未遂行の作業に対し、必要な技能や機能を工程ごとに分析し、その人が後々遂行する際に、問題とされること、利点として生かせることを予測もできるわけです。



座位保持困難な方に「旅行行ってみましょう!」
はできなくても旅行という作業を分析しておければ、クライエントの今から行う訓練や日々の生活が、その人の作業のどの部分に影響を与えるのか、常にクライエントと共有していくことができます。
そしてそのことが、クライエントが"その人"でいつづけるためにも、重要だと思っています。



「あなたは京都に奥さんと旅行することが夢だったんですね。どんな風に実現できるのか具体的にはこれから一緒に考えていきたいのですが、バスやタクシーの移動が多い京都では、20分以上揺られる中で座れることが重要です。まずは手を離して座れることから徐々にタクシーで座れることに向けて練習していきませんか」



その人の今を
過去と未来から切り離さないために


作業遂行を大切にみていける作業療法士になってほしい。学生達に期待しています。