2012年5月8日火曜日

人生の中での遊びとの出会い

随分前になりますが、 あるお母さんから
「うちの子に合う玩具が購入できる方法を教えて欲しい」 と相談されたことがありました。 
お母さんは発達に問題がある息子さんのために
感覚統合を学び、息子さんの感覚に合わせた玩具が欲しいとのことでした。 

『遊び』は子ども達が 
したい!と感じることのできる活動であり、
 その遊びを通して沢山の機能や社会性の発達に役立つ 
魅力的な活動です。

 引き出された機能や社会性によって、
 生活に!勉強に!学校参加に!就労に!つなげていきたい。 
支援している人の想いがあるのだと思います。



 地域の巡回相談や、我が子の成長を見守る中で 
『遊び』は自然と登場します。

 ある子は 
幼稚園で虫捕りが流行ったから。
 虫が取れることが男の子の中のヒーローになれるから。 
虫取りという遊びに出会い夢中になりました。

 ある子は 
足跡探しが保育園の絵本で出てきたから。 
友達との足跡探しが遊びになり 
「これは巨人の足跡だ!」と最初に探した子が
その日のリーダーになりました。 
リーダーになりたくてしばらく下を向いて歩いてばかりいたのは 
うちの息子でした。 

ある子は 
先生が竹馬を通して頑張ることを体験させたいと期待したから。
 竹馬という遊びがその子の前に現れました。 
竹馬に乗って竹馬チャンピオンになりたい! 
足の皮がむけても、その子は頑張って竹馬を練習しました。 



子ども達が人生の中で出会う遊びは 
教科書通りではなく 
その子の地域の文化や 
その子の社会の人やルールの中で 
自然と生まれるのだと思います。 

その遊びはその子が参加するには 
もしかしたら難しすぎるかもしれない 
その遊びはその子が参加しても 
簡単すぎて意図する機能は引き出されないかもしれない 

でも、その遊びには 
その子自身と親や先生たちの 
大切な想いが沢山含まれています。 
遊びを通して 
「ヒーローになりたい」 「リーダーになりたい」 「頑張る体験をさせたい」
 素敵な想いが含まれています。




 先日一人のお母さんから相談がありました。 
「うちの子は友達が近づくと叩いてしまう」 
お母さんはOTに 叩くというコミュニケーションが 
唯一やっと出来始めたコミュニケーションだから 
危険がない限り見守ってあげてください 
と指導を受けたとのことでした。 


女の子は今年1年生になったそうです。
 通級を利用しながら 通常学級のクラスメイトとの交流を大切にしよう。
 学校の先生たちと一緒に決めることができ 
お母さんはとても嬉しかったそうです。 

今、始まったばかりの学校で 
友達が女の子に沢山挨拶をしてくれるそうです。 
沢山遊びに誘ってくれるそうです。 
その現状に叩いてしか応えられない 
女の子も、お母さんも このままでいいと感じることができず 
不安なんだと話していました。 

叩くことを唯一のコミュニケーションとして見守ることで 
否定されすぎて表現できなくなってしまうリスクを 
回避できるかもしれません。 
それは一つ大切なことなのかもしれません。 

でも、友達との交流を大切にしたいという 
先生とお母さんの想いは 
女の子の人生の中で
今、流れの一つとして自然に生まれたことだと思うのです。
 今大切にしたいことだと思うのです。 


遊びも 
友達との交流も 
その人の人生の中でたくさんの環境の影響を受け
 生まれそして出会い 
実現していくことを 私は大切にしたい。 

そこに 
その子とその子を支える人たちの 
沢山の想いや意味があるから。

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